生活、音楽、吉井さん
カテゴリー「草彅剛舞台」の記事一覧
- 2025.04.28 [PR]
- 2024.01.28 「シラの恋文」
- 2023.10.29 来年も東京へ
- 2021.12.24 「アルトゥロ・ウイの興隆」再演
- 2021.12.23 迷子にならず
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2024.1.25
「シラの恋文」at 日本青年館ホール
輪廻転生の恋の物語。いや私のめっちゃ得意な分野キタコレ、と思っていたのだが、舞台の途中「どうしよう、これどう感想書こうか...笑」と思ってしまうほど、哲学の世界についていくのに必死だった。その中で二人の恋路に感情移入するタイミングを必死に探しているうちに、おおんそういう結末なのね〜と、とうとう見つからないまま物語は終着。結末は誰でもわかる着地をしているのにふわっと宙に浮いている感覚、うーんこれは好みが分かれそうだ。
でも難しく感じたのは私の頭が足りないせいかも...と思いながら席を立って歩いていると、そばにいた学のありそうな年配のご夫婦や、周囲のあちこちから「難しかった...難しかったね...」という感想が聞こえてきたということも書かせていただきたい笑。
だけどもどこにも感情移入がなかったわけではなく、私の琴線に触れた場面は、看護師の栄子が「息抜き」をしに海へ来て、志羅がそれを見つけたときのシーン。「秘密や痛みなんて誰にでもありますよ」(うろ覚えだったけどパンフに出てきててよかった)という志羅の台詞が胸に刺さって、その後に一人志羅がギターで弾き語りする歌でなんだか涙が溢れてしまった(それにしても随分ギター上達しましたね、びっくりしちゃった)。
時代は2035年、コロナ禍を経て結核が不治の病である世界。サナトリウムには死を隣に感じながら、それぞれの光を見出して生きようとする人々、そして輪廻の恋に出会う二人。輪が重なり合ったとき、宇宙のような絶大な力が生まれて生きる道さえ変えてしまう。それは私もよく知っている。角度を変えれば今日の私も、推しへの愛情がなければ何時間もかけて行き帰りしなければいけないこんな面倒なこと(しかも今回は雪と強風の極寒の中)、冷静な感情だけだったらするわけがないのだ。
代筆の恋文に込められた、志羅の小夜への本心。そうだよ、なんて遠回しなんだろう。最後に小夜へ届いたテンガロンハットと小夜の気持ちを思うと、数日経った今、とてもせつない。ドラマや映画とはまた全然違う、じわじわとした余韻が舞台にはあって、そこがまた足を運びたくなる理由でもある。
疫病や戦争のある近未来、心の底から起こらないで欲しい現実。だけど舞台中には笑いどころもたくさんあって、鈴木さん演じる副院長、おもしろかったな。剣術の構えをする剛が見られたのもオタ的にとてもよかった。座長かっこい〜!(結局それ)いやいつも思うけど、普段テレビで拝見している錚々たる役者さん方の生身のお芝居を体験出来ることは、私の人生ではほんと貴重な体験だなと思います。
行きにバスから見えた富士山。山に雪が降るのを待ち侘びていた志羅を思い出す写真になった。
人間どう生きるか、やっぱりそれだよな。
*
お初の日本青年館ホール、外苑前駅からはまーっすぐで超わかりやすかった。でも場所あってるか心配になる見た目ビルの中に会場があるパターン、あれほんと不思議な感じする。
朝バスに乗る前の7時前の名古屋は雪降ってるし風吹いてるしで、ほんっとにね、出かけたくない日ベスト3みたいな日で地球にガチギレだったわよ笑(寒いのめっちゃ嫌い)。
でもこーんな澄んだ空。冬はこれがあるからなー。マスカラの繊維吹き飛ぶくらいには風強かったけどね(鏡みてまつ毛なくなってて笑った)。
今回は行き帰りバスだったし身は削ったけど、特に大きな問題なく帰りつけました。見守ってくれていたお友達に感謝です。メッセージうれしかったよ〜ん!
そしていろんなとこに連れてきてくれる剛さん、いつもありがとう。これからもずっと楽しみにしてます。
2021.12.23
「アルトゥロ・ウイの興隆」at ロームシアター京都
FCを抜けてしまった今、取れるかわからなかったけど、一般発売日、仕事が終わった夕方にまだチケットが残っていて取ることが出来ました。SS席で1階下手側後方、表情はよく見えない距離だったけど想像よりも近く感じられる劇場でした。
中止になって行けなかった2年前のリベンジ。
でも周囲から聞こえてきた会話で、前回はチケットが取れなったと言っていた人もいて、自分だけ悲劇ぶってちゃだめだよなと少し反省。
再演されて本当によかった。
以下、内容に触れた感想です。
『この作品は、ヒトラー率いるナチスがあらゆる手段を使い独裁者として上り詰めていく過程を、シカゴのギャングの世界に置き換えて描いたという大胆な作品。(公式サイトより抜粋)』
ギャングが暗躍するショー仕立ての音楽劇ということでしたが、「道」で体験した音楽劇とはまた全く違った“生”を体験してきました。
やー、すごかった。舞台上に可動式のバンド用のステージがあり、常にそこから生演奏で展開されるど迫力のエンターテイメントでした。使用されたジェームズブラウンの曲はヒトラーとは全く関係ない、というステージ上に幕(?)で出てくる説明に笑いましたが、私のロック好きの血が騒ぐショーでしたし(ジェームズブラウンのジャンルはファンクとかソウルなんですけどね)、まさか剛さんのシャウトを聞く日が来るとは...!!!いやむーーちゃくちゃかっこよかった。演技とはいえあのしなやかな身のこなしで表現されるスター性、素晴らしかったです。
とはいえウイは残虐で最悪の独裁者、かっこいい、けどアイツに取り込まれてはダメだ!という葛藤を最後まで繰り返すことになります。そしてついにラストシーンで、華やかに見せかけたそのスター性と銃で物理的に弾圧しながら、カリスマ的にこの劇場にいる観客に賛同を求めてくるのです。私は、オマエになんか、屈し...ちゃった...(ちゃったんかい)
屈してしまった物語の最後に、ヒトラーの言葉がステージ上に現れた。大衆の熱狂こそが、政治を操作できる道具だと(ニュアンス)。
そういうことだったのか...
私は身をもって現代で擬似体験してしまったわけです。熱狂の恐ろしさ、熱狂を利用した男の恐ろしさ、今だって起こり得る恐ろしさ...最後の最後に身震いさせられるお話でした。冷静さを失いそうになった時はきっとこの話を思い出すことと思います。
写真で綴る思い出。
京都駅から地下鉄に乗って、一度乗り換えはあったけど簡単な道のりで迷うことなく辿りつけてよかった。初めての場所だとたまに迷子になるからね笑。東山駅を出ると、趣きのある風景に緊張が和らぎました。
でも私、上演時間を調べないままバスのチケットを取ってしまって、場内に入る直前に「上演時間は3時間です」っていう貼り紙を横目に見て、えっ...やばいかも...?っと。休憩20分の2部構成、終演時間15時。1階後方だったから規制退場が一番最初で助かったけど、バスの時間がまあまあギリギリでした笑。会場のスタバ寄りたかったな〜!結局お昼を食べる間もなく、上演中に私のスタミナが切れそうになったのも今回の反省点。
カーテンコールはスタンディングオベーション、粘って3回?だったかな、最後の最後に剛さんだけ残って、今回は役が役だけに愛想はおそらく控えめにしてたのに、我々が手を振るからちょこっと手を振ってくれました。やさしい。ごめんね、ありがとう。ステージで拍手を浴びるあなたを見るのが私の喜びです。
千秋楽まで無事完走、祈ってます。
*おまけ*
クリスマス仕様のナナちゃん。
その節はお世話になりました。
メリークリスマス!